内藤vs亀田大殻の世界タイトルマッチ。戦前から極端な言動の多かった亀田。まるで隣の高校に遠征でケンカにいく高校生のようだった。
鼻息荒く、虚勢を張り、「俺のパンチは宇宙一」「内藤はゴキブリ」「負けたら切腹する」などの言動は、まさに未熟さの現れ。未経験のものへの恐怖、緊張、アンチファンからのストレス、自分の実力への不安。それらがない交ぜになった感情の現れだろう。弱い犬ほどよく吠えるものである。
しかし、こんな言葉も思い出した。
青年を笑うな。通った道だ。
老人を笑うな。通る道だ。
自分が18歳の頃と比べてどうだろう。まだ見ぬものへの不安から虚勢を張ることはなかっただろうか。「自分は強いんだ」と思い込まなければ、前へ進めないことはなかったか。
体力はある。12ラウンドを戦えるスタミナがある。パワーもある。足りないのは経験と技術と良き指導者。ボクシングを「ケンカの延長」と言う指導者のもとでは心の成長は望めない。もし今後もボクシングで生計を立ていく覚悟があるなら、今こそ巣立ちの時だろう。
長男ほどの才能はない。あるのはトレーニングで培った丈夫な体とスタミナのみ。しかし、才能ある人間のみがチャンピオンになる訳ではない。内藤選手も決して才能があるタイプではないからだ。
何度も繰り返されるダーティーな反則。見ていて痛々しかった。不器用で、ガードを固めて前へでる攻撃しかできない大殻は、その攻め手を封じられるとなす術がなかったのだ。思い通りにならない苛立ちやフラストレーションが反則となって吹き出した。対戦相手を見下していた証拠である。
偏狭な家庭内に育ち、自分の実力を全く客観視できていない。父親の言葉を鵜呑みにし、誤った世界観を形成されている。もし自分が同じ立場なら、これを機に家を出て別のジムに入り日本ランキングの挑戦から再出発すると思う。
今後の動向にも注目だ。